車のボディをコンパウンドで手磨きする時に気になるのが「クリア層は大丈夫か?」問題です。
車の塗装は、カラーの上にクリア層が乗っており、クリア層のおかげで車に艶や輝きが生まれることになります。
しかし、ボディ表面のクリア層には洗車傷やウォータースポットも付いてしまうため、これらを除去するには「研磨」をする必要があります。
しかし、前述の通り研磨しすぎるとクリア層全部が剥げてしまって、ボディの塗装面が出てくる懸念があります。
では、一体どれくらい研磨したらいいのか?
何回までならコンパウンドで磨いても大丈夫なのか?
この悩みについて、参考となる動画がありましたのでご紹介します。
研磨したらどれくらい塗装が減るかの検証動画
しのぴーさんの動画で実際に検証しています。
動画内では、実際に膜厚計を使用しながら1回の研磨でどれくらいの塗装が減るのかを検証しています。
検証条件と検証結果は以下をご覧ください。
検証条件
まず、車の塗装面のクリアが剥がれているところと剥がれていないところの膜厚を測定すると以下のようになっていました。
- クリアが剥がれている個所:59㎛
- クリアがしっかりと乗っている個所:88㎛
このことから、クリアの厚さは約30㎛と考えることができます。
この車のクリアが乗っている個所について、以下の3種類で、2分間磨きます。
- タオル
- スポンジ
- ポリッシャー
それぞれについて以下の2種類のコンパウンドを利用して、合計6種類のやり方で検証しました。
- Soft99液体コンパウンド7500
- Soft99液体コンパウンド9800
検証結果
検証結果は以下の通りとなりました。
磨き | コンパウンド | 磨き前の膜厚 | 磨き後の膜厚 | 差 |
タオル | 7500 | 89.25㎛ | 89.00㎛ | -0.25㎛ |
タオル | 9800 | 91.75㎛ | 90.75㎛ | -1.00㎛ |
スポンジ | 7500 | 89.75㎛ | 87.50㎛ | -0.25㎛ |
スポンジ | 9800 | 95.75㎛ | 93.50㎛ | -2.25㎛ |
ポリッシャー | 7500 | 92.25㎛ | 90.00㎛ | -2.25㎛ |
ポリッシャー | 9800 | 94.00㎛ | 92.00㎛ | -2.00㎛ |
磨いた部分に光を当ててみると、ポリッシャーで施工した所が明らかに違いますが、膜厚計的にはそれほど違いは無かったという結論です。
また、理論上で言えば、9800番よりも7500番の方が目が粗いため、膜も多く削れるはずですが、実測すると9800番の方が多く削れていたり・・・と統一感はありませんでした。
今回の検証で一番削れたのはポリッシャーですが、それでも2.25㎛削れただけでした。
塗装のクリア層の厚さを30㎛と仮定するのであれば、ポリッシャーで磨いても10回以上は大丈夫と言うことになります。
一番削れなかったタオルやスポンジで7500番のコンパウンドで磨くのであれば、100回以上磨いたとしてもクリア層は残ることになります。
これは個人的には予想外でした。
しかし、少なくとも数回程度磨いて位ではクリア層が出てくる心配は無いことが分かりました。
この情報は、恐る恐るコンパウンドで磨いている人にとっては朗報ではないでしょうか?
これからはビビることなく磨いていきましょう!
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