「カーシャンプーなんて必要ない!」と考えて、食器用洗剤で車を洗った経験や、そういった洗車をしている人を知っていないでしょうか?
今回はイギリスのディテーラーによる食器用洗剤で洗車することのメリットとデメリットをまとめました。
結論から言えば「専用のカーシャンプー」を使いましょう!となりますが、その理由について詳しく触れていますので、動画の内容を基にまとめます。
なぜ食器用洗剤が使われてきたのか
多くの人が使ってしまう理由
食器用洗剤が洗車に使われる理由は明確です。
まず、ほとんどの家庭に常備されており、新たに購入する必要がありません。また、カーシャンプーよりも安価で、油汚れや泥汚れを強力に落とせるというイメージがあります。
実際に「何年も使っているが問題ない」「カーシャンプーより汚れが落ちる」という声も少なくありません。洗浄力が高いこと自体は事実であり、放置された汚れた車であれば、見た目は確実にきれいになります。
プロが警告する理由
一方で、プロのディテイラーが食器用洗剤を強く否定するのには理由があります。
最大の問題は「洗浄力が強すぎる」ことです。
ワックス、シーラント、簡易コーティング、乾燥補助剤など、塗装面を保護するための被膜は、強い界面活性剤によって急速に分解されてしまいます。
汚れと一緒に、これまで積み重ねてきた保護層まで落としてしまう点が、プロが避ける最大の理由です。
実際に使って検証してみた結果
検証車両と準備
検証に使用されたのは、冬の汚れでひどく汚れたアウディA6です。
洗車バケツは完全に洗浄され、新品の洗車用ミットを使用することで、結果に影響が出ないよう配慮されています。
最初は食器用洗剤20mlからスタートし、必要に応じて追加していく方法が採られました。
ホイール・タイヤ洗浄の結果
最初にホイールとタイヤにスプレーして数分放置したところ、泥汚れはかなり除去されました。

ただし、ブレーキダストのような固着した汚れには効果が限定的でした。
洗剤量を40mlに増やすと泡立ちは増しましたが、ジェル状になることはなく、性能の限界も確認されました。それでも「最低限きれいにしたい」というレベルでは十分な結果と言えます。
スノーフォームとしての性能
次にスノーフォームとして使用されましたが、ここでは明確な弱点が露呈します。本来のスノーフォームは泡がボディに密着し、重力に逆らって汚れを浮かせます。

しかし食器用洗剤は泡の粘着力が弱く、すぐに流れ落ちてしまいました。洗剤量を増やしても持続性は改善されず、専用品との差は明確でした。
プレウォッシュとしての洗浄力
ボディ全体への噴霧では、意外にも多くの汚れと融雪剤を除去することに成功しました。洗浄力だけを見れば、市販のスノーフォームを上回る場面もありました。
ただし、その代償については後半で詳しく語られています。
シャンプー洗車時の問題点
接触洗車では、最大の欠点が浮き彫りになります。
カーシャンプーに含まれる「潤滑性」と「汚れの包み込み性能」がほぼ存在しないため、ミットが滑らず、微細な傷が入りやすい状態になります。
また、泡切れが悪く、乾燥時にムラやスジが残りやすく、タオルの滑りも悪化しました。結果として乾燥に時間がかかり、仕上がりの質も低下します。
長期使用で起こる本当の問題点
ゴム・樹脂パーツへの影響
食器用洗剤はゴムや樹脂にも影響を与えます。ワイパーブレード、未塗装樹脂、タイヤは徐々に劣化し、ツヤを失っていきます。
動画内では「すぐに深刻なダメージが出るわけではない」としつつも、長期的には確実に影響が蓄積すると説明されています。
融雪剤対策としての落とし穴
冬場の塩害対策として食器用洗剤を使う人もいますが、多くの食器用洗剤には塩化ナトリウム、つまり塩が含まれています。
結果的に、塩を落とすために塩を塗る行為になってしまう可能性があります。
日本の食器用洗剤には塩化ナトリウムは入っていません。
海外の洗剤の場合、増粘剤として塩化ナトリウムが入るようです。
なぜカーシャンプーが存在するのか
カーシャンプーは「汚れを落とすため」だけの製品ではありません。塗装を守りながら、何度洗ってもダメージを蓄積させないために設計されています。
洗浄力だけで評価すると、食器用洗剤が優れて見える場面もありますが、長期的な安全性と仕上がりを考えると、目的がまったく異なる製品であることが理解できます。
結論として食器用洗剤を使うべきかどうか
食器用洗剤で車を洗うことは、1回限りであれば致命的な問題になる可能性は低いと言えます。
時間がなく、最低限きれいにしたい場合には「応急処置」として理解できる選択でもあります。
しかし、繰り返し使用すれば、保護被膜の除去、微細な傷の増加、ゴムや樹脂の劣化といった問題が確実に積み重なります。結果的に、車の美観と寿命を縮める行為になります。
本動画を通じて分かるのは、食器用洗剤が「使えない」のではなく、「使う目的が違う」という点です。
カーシャンプーは、日常的に安全に洗車を続けるための専用品であり、これまでの手入れを無駄にしないために存在しています。
洗車に何を求めるのかを理解したうえで、適切な製品を選ぶことが、結果的に最も効率的でコストパフォーマンスの高い選択だと言えるでしょう。


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