洗車で多くの汚れを落とすことができますが、全てを落とすことはできません。
現在では中性、酸性、アルカリ性、落としたいターゲットに合わせた溶剤が沢山ありますが、それでも「どんな汚れでも落とす」ことはできないのです。
これは言ってみれば「洗車の限界」です。
では洗車の限界とはどんなものなのでしょうか?
今回はWahWashの川上さんの動画から落ちない汚れについて解説します。
結論:こまめな洗車こそが最大の防御
車の美しさと塗装を守る最大の秘訣は「こまめな洗車」と「定期的な汚れ落とし」です。
放置してしまうと、どんなプロでも洗車では取り除けない
- クレーター
 - チョーキング
 - クリア剥げ
 
という3つのダメージが発生します。
これらは時間の経過とともに進行し、最悪の場合は「再塗装」が必要になるほど深刻なダメージです。
以下では、この3つのダメージの正体と予防方法を詳しく解説します。
1. クレーターダメージ(落ちない水垢)

見た目はただの水垢、でも落ちない「輪っか汚れ」
最も多くの人が経験するのが「クレーターダメージ」と呼ばれるものです。
見た目は水垢のような輪っか状のシミですが、実際には塗装の表面が化学的に侵されており、洗車では絶対に落ちません。
なぜクレーターは発生するのか
原因は、落とせるうちの水垢を放置したことです。
例えば火山灰や雨の汚れを放置し、日光や熱で乾燥を繰り返すと、1週間ほどで塗装に焼きついてしまいます。
動画では、実際に宮崎で火山灰を1週間放置した代車が、完全なクレーターダメージになったと紹介されていました。
判別方法
自分の車が「水垢」なのか「クレーターダメージ」なのかを見分けるには、プロ仕様の水垢除去剤「PV-A06」を使用します。
- A06で落ちれば「水垢」
 - A06でも落ちなければ「クレーターダメージ」
 
これ以上強力なクリーナーは塗装を溶かしてしまうため存在しません。
対策と予防法
- 月1回の水垢落としを習慣化する
 - 特に「ボンネット」「屋根」「トランク」など水が溜まりやすい箇所を重点的に
 - 洗車が面倒なら「最低限ボンネットだけでもOK」
 
もしすでに発生してしまった場合は、塗装を研磨または再塗装するしか方法はありません。
2. チョーキング現象(塗装が粉を吹く)

手で触ると色がつく「白い粉」
次に紹介されたのが、チョーキング現象(退色・粉吹き)です。
これは、紫外線や汚れの放置によって塗装の表面が劣化し、チョークの粉のように手につく現象です。
特にホンダ車など一部のクリア塗装がない車種では要注意です。
実際に、シビックで「拭くとタオルに色がつく」と相談を受けた事例も紹介されていました。
原因
- 紫外線による熱ダメージ
 - 汚れの放置による化学的劣化
 - コーティングやメンテナンス不足
 
塗装表面の凸凹が増え、光沢を失い、色が落ちやすくなっていきます。
対策と予防法
- リアクリーンなどのクリーナーで定期的に表面を滑らかに保つ
 - カーポートやボディカバーで紫外線から物理的に保護
 - 既に粉を吹き始めた場合は「水垢除去→磨き→コーティング」で一時的に回復
 
ただし進行すると、再塗装しか完全な解決はできません。
3. クリア剥げ(クリア塗装の崩壊)
白くペリペリめくれる塗装
3つ目のダメージは「クリア剥げ」。
塗装の一番上にある透明な保護層(クリア層)が劣化・剥離してしまう状態です。
白いテープがめくれたような見た目になり、どんな洗車をしても改善できません。
これは「塗装の寿命」が完全に尽きたサインです。
原因
- 経年劣化(特に10年以上経った車)
 - 紫外線や熱による分解
 - 汚れを放置したままの化学反応
 - 過度な磨きや研磨による塗膜の削りすぎ
 
古い車ほどクリア層が薄く、数回の機械研磨で塗装そのものが剥げてしまうこともあります。
対策と予防法
- 定期的な洗車とコーティングで紫外線ダメージを軽減
 - 屋根付き駐車・カーポート保管で熱を避ける
 - もし剥げてしまった場合は「FTWなど艶を補うコーティング剤」で一時的にごまかす
 
ただし根本的な改善には再塗装が必要になります。
まとめ:洗車は「美観」ではなく「防御行為」
今回紹介された3つのダメージは、すべて「放置」が原因で起こります。
逆に言えば、定期的に洗車して汚れをリセットするだけで大部分を防げるということです。
車の塗装は人間の肌と同じで、紫外線・熱・汚れの影響を日々受けています。
そのため、
- 週1〜2回の簡単な洗車
 - 月1回の水垢除去
 - 年1〜2回のコーティング
 
を行うことで、5年で起こる劣化を10年、15年先まで遅らせることができます。
洗車が面倒に感じる日でも、「サボると再塗装」という最悪の結末を思い出せば、自然とモチベーションも上がるはずです。


			
			
			
			
			
			
			
			
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